ぽかぽかと暖かい春の日差しの中で行う遠足は、子どもたちにとっても、先生たちにとってもワクワクするイベントのひとつです。自然とのふれあいや、集団での活動を通してたくさんの経験ができる春の遠足。
今回は、保育士として知っておきたい「ねらい」「事前準備」「当日の注意点」について、分かりやすくご紹介します。
◆春の遠足のねらいとは?
春の遠足には、以下のようなねらいがあります。
・自然に親しむ:草花や虫、春ならではの景色にふれ、季節の移ろいを五感で感じる。
・社会性を育む:友だちと手をつなぎ、並んで歩く、ルールを守るといった集団行動を学ぶ。
・公共マナーを知る:公園や施設でのマナーや、公共交通機関の使い方を学ぶ。
・非日常を楽しむ:園外ならではの開放感や特別感を味わい、楽しい思い出をつくる。
◆準備しておきたいこと
遠足の成功は、事前準備にかかっています。以下の項目を参考に、しっかり備えておきましょう。
◎下見とリスク管理
園外活動の場所は必ず事前に下見を行いましょう。危険箇所やトイレの場所、休憩できる場所を確認しておくことが大切です。
天候による変更案(雨天時の対応)も準備しておくと安心です。
◎保護者へのおたより
日程・持ち物・服装・注意事項などをわかりやすく記載した遠足のおたよりを事前に配布。
水筒やお弁当の扱い、アレルギー食の有無にも個別に配慮しましょう。
◎子どもたちへの事前指導
遠足当日のルールをイラストや絵本などでやさしく説明し、「期待」と「マナー」の両方を伝えておきましょう。
お友だちと手をつなぐ・先生の話をよく聞く・危ない場所には近づかない、など。
◆当日の注意点
春の遠足当日は、子どもたちが安心して楽しめるよう、保育士の細やかな配慮が欠かせません。
◎体調チェックと安全管理
出発前に検温・健康状態の確認を行い、気になる子がいれば保護者と連絡を取りましょう。
保険証のコピーや緊急連絡先一覧、救急セットは必ず持参。
◎目配り・気配り・声かけ
先頭・中間・最後尾に保育士を配置して、子どもたちをしっかり見守りましょう。
少人数のグループごとに担当を決める「グループ制」も効果的です。
子どもたちの小さな変化や表情を見逃さず、「大丈夫?」「疲れてない?」などの声かけをこまめに。
◎水分補給と休憩のタイミング
春とはいえ、動き回ると汗をかくことも。定期的な水分補給を忘れずに。
無理をせず、こまめな休憩でペース配分を大切にしましょう。
◆帰園後も大切なふりかえり
帰園後には、今日の楽しかったことをみんなで話す時間を取りましょう。お絵かきや製作活動で「遠足の思い出」を表現するのもおすすめです。
保護者へは、写真付きの活動報告や「がんばったエピソード」の共有で、子どもたちの成長を伝えましょう。