絵本の読み聞かせは、子どもの想像力や言葉の発達を促し、親密なコミュニケーションを育む大切な時間。読み聞かせを行う際には、子どもたちに興味を持たせ、物語の世界を楽しんでもらう工夫が必要です。
保育士の皆さんが実践できる「上手に絵本を読み聞かせるコツ」をご紹介します。
絵本選びのポイント
読み聞かせを成功させるためには、年齢や興味に合った絵本を選ぶことが重要です。
年齢別の絵本選び
0〜2歳:短い文章とカラフルな絵が特徴の本(例:「いないいないばあ」)
3〜4歳:繰り返しのリズムや簡単なストーリーがある本(例:「はらぺこあおむし」)
5歳以上:少し長い物語や感情の起伏がある本(例:「ぐりとぐら」)
子どもの興味に合わせる
動物や乗り物、季節のイベントなど、子どもが関心を持つテーマを選ぶと興味を引きやすくなります。
上手に読み聞かせるためのコツ
(1)声のトーンや抑揚を工夫する
登場人物や場面ごとに声を使い分けることで、物語に臨場感を出しましょう。
例:「怖い場面では低くゆっくり」「楽しい場面では明るく早めに」など。
(2)テンポを調整する
子どもの反応を見ながら、ゆっくり読んだり間を取ったりして、内容を理解しやすくします。
例:絵をじっくり見せる場面では読みを少し止めて「この動物、何だと思う?」と問いかける。
(3)子どもたちとアイコンタクトを取る
読みながら子どもの顔を見ることで、興味を持っているか確認し、必要に応じて話しかけます。
(4)絵本の絵を十分に見せる
絵本の絵は子どもたちにとって重要な情報源です。全員が絵を見られるよう、少し高めの位置で見せましょう。
(5)子どもの反応を引き出す
子どもたちが物語に参加できるよう、質問を投げかけたり、声を一緒に出してもらう仕掛けを取り入れます。
例:「このあと、どうなると思う?」「この音、一緒に言ってみよう!」
読み聞かせの環境を整える
(1)静かな環境を作る
集中しやすいように、読み聞かせの前におもちゃを片付け、周囲を静かにします。
(2)座る位置を工夫する
子どもたちが絵本を見やすいように、保育士が少し高めの位置に座ると良いです。円形に座らせると全員が平等に見られます。
(3)子どもの気分を尊重する
子どもたちがリラックスして聞けるよう、無理強いせず気分に合ったタイミングで行いましょう。
困ったときの対処法
子どもが集中しない…短い絵本に切り替える、物語の一部を歌や動きで表現して興味を引く、など。
子どもが飽きてしまった…最後まで読むことにこだわらずに別の日に続きを楽しむ形にする、など。